第152回 定例会報告

定例会報告 
医療法人 博文会 双葉病院 桑島陽子

今回は福島県で初めての定例会ということで、同県の会員として期待を抱きつつ参加させていただきました。当日は、この冬で一番の大雪となりましたが、たくさんの方々が参加され活気のある雰囲気で会は進行していきました。
 山本先生が発表してくださったケースは、退院後デイケアは継続できず訪問看護と外来作業療法でフォローしている患者さんでした。私は現在、入院患者さんの作業療法に携わっており、実際に退院された患者さんの生活に関わる機会がほとんど無いので、患者さんの在宅での生活や訪問看護での作業療法士の現状などの現場の様子はとても興味深いものでした。退院後は、家族などのインフォーマルな支えやデイケア・訪問看護、福祉などのフォーマルな支えなど環境的な要因が患者さんの生活により大きな影響を与えていることがケースを通してイメージできました。
質疑応答は活発に意見交換がなされ、その中でもケースの母親への依存性と家族関係に関する事、デイケアに行くのに送迎をスタッフで行なうべきか、という事については、さまざまな経験年数、さまざまな分野の方々のそれぞれの経験に基づいた意見が述べられ、有意義なものになりました。一人のケースでもさまざまな見方やアプローチの仕方があることに気付かされ、改めて症例検討会の大切さを実感しました。
今後は、患者さんが望む生活はどのような生活なのか、そしてその生活を実現するために他職種・ご家族と連携し作業療法士はどのような役割を担うことができるのか、入院している患者さんに対しても同じような視点で向き合っていきたいと思いました。