平成22年度 春の研修会報告

平成22年度 春の研修会報告

吉川記念病院  桑島陽子
 このたびの研修会は、大丸幸先生をお迎えして2日間、開催されました。
 1日目の公開症例検討会では、借金を繰り返す症例に対し、借金の返済のために市役所や弁護士、銀行などに出向かれ、「内縁の妻」のように熱心に支援されておられる情野先生の御苦労が伝わってきました。「私だったらどうするだろうか?」と考えさせられ、症例の思いを理解しつつ、チームに広げていくことの大変さと大切さを感じました。
 2日目の講演会では、たくさんの対象者の個人史や生きざまに触れてこられた大丸先生のお話から、面接や作業活動の重みを改めて感じました。また、作業活動を治療媒体とするOTにとって対象関係は治療の根拠となるものであることを再認識しました。
 2日間を通して、対象者の家族を含めた個人史からその方を理解する視点や、その方にとっての作業活動がどのような意味を持ち、何を表現されておられるのかを考える視点の大切さを学びました。私の中で、もやもやしていた自分自身の課題が具体的にわかり、作業活動を武器にしていけるように、勉強しなおそうと思いました。とても、貴重なお話を拝聴し、これからの励みになりました。どうもありがとうございました。