第168回定例会報告

定例会に参加して寿泉堂松南病院 山本 裕佳里
 今回は学生も含め、針生ヶ丘病院の他職スタッフの参加もあり、20名と盛会であった。毎回遠方より足を運んで下さる参加者の方々や事務局には、頭が下がる思いである。
 今回は、針生ヶ丘病院の認知症治療病棟におけるケース報告であった。
従事して
1年半、磯目OTRの同病棟での役割、ケースを通して感じた葛藤などが本音で語られ、実のある報告をして頂いた。認知症治療病棟は、専任の作業療法士1名が、5060名の病棟患者に対して、午前・午後2時間ずつ機能回復訓練を実施しなければならない。
必然的に集団プログラムを中心に行うこととなり、個別対応には限界がある。そんな中でも磯目
OTRは、定期的にカンファレンスを行い、出来うる限り個別評価に即した対応を心掛けている。
 今回の認知症のケースは震災の影響で、転院を余儀なくされ、家族関係も複雑になり、精神症状のみならず、ままならない思いや寂しさからか、攻撃的行動化を見せる。症例検討で、暴力行為に対しては、他職種と連携しチームでの対応が適切であろうこと。また、ケースの生活歴から元来単独で行う活動が性に合う人であろう事が指摘された。集団活動を好まないケースに対し、新聞を読んだり書道をしたりする自発的活動を支持し、OTRが媒介となり他者と繋がる活動へと拡大、交流を図る事が、情動の安定になればと考える。